げんこつ団

げんこつ団

様々な老若男女を変幻自在に演じ分ける女優達による極上のナンセンス喜劇、
その喜劇は底無しに悲劇的であり際限なく猟奇的であり、且つ最高に馬鹿馬鹿しい。

その”楽しくない喜劇”、”恐ろしい喜劇”は、
人間と社会の全てを別け隔てなく斬りつけながら、容赦なくただ飄々と繰り広げられる。
そして時に本当にくだらない。そんな意味のないシーンが混乱を巻き起こす。
そうしてあらゆる固定概念を覆しあらゆる神経を逆撫でしながらただただ連続するシーンは、
そのまま転がり連なりながら、やがてひとつの終息に向かう。

意外性と突拍子の無さに満ちた脚本、役者自身の個性を一切出さぬ徹底した内容重視のスタンス、
脅威の早変わりにより次々と老若男女を演じ分け、時に観る者に女性のみだという事を悟られないほどの演技力、
それらの作り出す作品は、現実社会に似て非なる、しかし非なりし似ている、独自の喜劇。
舞台上に繰り広げられるその独自の世界を、是非一度後体験あれ。

略歴

1991年に、女子美術短期大学在学中の現団長・吉田衣里のもと活動開始。
以降、初回から参加の現副団長・植木早苗と共に、公演毎にキャストを集めるユニット形式で年2~3回の公演をおこなう。
「女性のみでありながらブラックな内容」「観客に一切媚びない内容重視のスタイル」「とてつもない馬鹿馬鹿しさ」が話題を呼び、
1994年のトムプロジェクトとの共同制作公演ののち、1995年に「ガーディアンガーテン演劇フェスティバル」の出場劇団に選出される。

主に口コミのみで少しずつ動員を増やしつつ、独自のナンセンス喜劇と過激な風刺を貫く。
1999年から「駅前劇場」を拠点にする。2000年、ユニット形式から劇団員制に切り替え。1回目の総集編公演をおこなう。
2004年に「下北沢演劇祭」に2回目の総集編で参加。以降、知る人ぞ知るマニアックな劇団としてディープに活動を続ける。

現在は、基本的なスタイルは変わらないものの、直接的な過激さよりも絡め手的な風刺と切れ味の良いナンセンスを武器にし、
「他にはない唯一無二の喜劇」「完成度の高いナンセンス喜劇」「和製モンティ・パイソン(女板)」との評価を受ける。
また活動開始当初から映像をふんだんに盛り込んだ舞台作りをおこなっており、それも独自のスタイルとして定着。
2011年の20周年記念”秘密”公演では、過去シーンの総集編ながら決して色褪せない鋭い風刺とその馬鹿馬鹿しさが話題を呼んだ。